のび太の火星冒険紀 

第四話

火星漂着





のび太たちの目の前に巨大な星が姿を現した。

地球よりは少し小さいようだ。

ドラ「これは火星だよ。僕たち、火星までワープしてきたんだ。」

のび「地球と火星って、何キロ離れてるの?」

ドラ「一億キロくらいかなぁ。」

のび「い、一億キロ!?」

のび太が途方もない距離に飛び上がる。

グラグラグラ

と、その時突然宇宙船が揺れ始めた。

ジャ「な、なんだ。」

スネ「た、助けてー。」

ドラ「大変だ!!火星に引き寄せられてるんだ。」

しず「じゃぁ、このままだと火星に入っちゃうの?」

ドラ「そうなんだ…。」

スネ「ど、どうしよう。」

ドラ「どうにもならないよ。使えそうな道具もないし、宇宙船も言うことを聞かないし…。」

宇宙船はどんどん火星に近づいていく。

スネ「大気圏で燃えたりしないの?」

ドラ「わからないよ。多分大丈夫だと思うけど…。」

のび「そんな無責任な…。」

やがて目の前は火星の姿でいっぱいになった。

ドラ「そろそろ突入するよ…。」

ドラえもんがぽつりと言った。

宇宙船の揺れはますます激しくなっていく。

とうとうすごい速さで火星に吸い込まれていった。

ゴーーーー

のび「僕たちどうなるの?」

ドラ「火星に墜落するはずだよ。」

宇宙船は大気圏を通り越した。

そして、そのまま地上に落下していく。

垂直落下していく宇宙船の中では、ドラえもんがタケコプターを出していた。

ドラ「とにかくこれで宇宙船から脱出しよう。大丈夫。テキオー灯をさっき浴びたから。」

5人はタケコプターを頭につけて、宇宙船の甲板に出ると空中に飛び出した。

宇宙船は尚も落下し続けていく。

そして、とうとう地面にぶつかってしまった。

ズズゥゥゥゥン

そこらじゅうを砂煙が舞う。

のび「う、宇宙船どうなったんだろう…。」

ドラ「壊れたかもしれない…。」

スネ「じゃぁ、どうやって帰るのさ!!」

スネ夫がわめきだす。

その時、静香が宇宙船がある辺りを指差して言った。

しず「あ〜、あれ見て!」

煙が晴れると、そこには横倒しになっている宇宙船があった。その近くにゴマ粒みたいなものが見える。

ジャ「あの小さな黒いものはなんだ?」

ドラ「近づいてみよう。」

5人はタケコプターの高度を下げた。

すると、その黒いものの形がだんだん分かってきた。

それはクモのような形をしていた。

足が15本ある。クモでははないようだ。

そのクモは宇宙船に近づいて何かをしているようだ。

ドラ「あ!!宇宙船を運んでいるんだ!!」

クモはドラえもんの言うように宇宙船を運んでいるようだ。宇宙船に糸を巻きつけて、その糸を引っ張っている。

ジャ「俺たちの宇宙船をどうするつもりだ?」

ジャイアンは急降下してクモに近づいていった。

ドラ「ジャイアンそんなに近づいちゃ危ない!!」

ドラえもんもそれを追いかける。

のび「僕らも行こうか・・・。」

3人もジャイアンとドラえもんを追いかけることにした。

ジャイアンはクモの目の前にいた。

ジャ「やいやい。俺の宇宙船に何しやがる。」

クモはギュルルルと言うと、ジャイアンに向かって糸を吐き出した。

糸はジャイアンに巻きついてしまった。

ジャ「うぉ!!なんだこりゃ。う、動けない…。」

ドラ「あ、ジャ、ジャイアン!!」

ドラえもんはジャイアンに近づくと、糸を解こうとする。しかし、糸はネバネバとしてなかなか解けない。

その間にクモはドラえもんに向かって糸を発射した。

ドラ「わ、危ない!!」

ドラえもんは上空に逃げて糸を回避した。

ドラ「何かいい道具はないかな?」

ポケットに手を入れると、すぐに何かを取り出した。

それはショックガンだった。

ドラえもんはショックガンをクモに発射した。

クモに命中はしたが、あまり効いていないようだ。

更にショックガンを撃ってみる。

しかし、結果は同じだった。

ドラ「こんな武器じゃ効かないのかなぁ。よ〜し、それなら!!」

ドラえもんがジャンボガンを出す。

そして、ショックガンと同じようにクモに向かって発射する。

ものすごい衝撃波でジャイアンは回転しながら吹き飛んでしまった。

ジャ「助けてくれぇぇぇ。」

そのあと、ものすごい爆発が起こった。

クモがジャンボガンにより爆発したのだ。

ドラえもんはそれを見ると、ジャイアンを助けに行った。

ジャイアンはタケコプターで上空に漂っていた。

ジャイアンを救出すると、体に巻きついた糸を解こうとする。

しかし、糸はやはりなかなか解けない。

そこに、のび太たちがやってきた。

のび「お〜〜い、ドラえも〜ん、ジャイア〜ン!!」

ドラ「あ、のび太くん。」

ジャ「この糸何とかならないか?」

のび太がジャイアンに近づく。そして、ジャイアンに巻きついている糸を触ってみた。

のび「わっ!ネバネバする。」

思わずのび太は手を引っ込めた。

ドラ「どうしてもこれが解けないんだ。」

のび「何かいい道具はないの?」

ドラ「今日は道具不足なんだよ。それに宇宙で糸に巻きつかれるなんて考えてもなかったよ。」

ジャ「それでも何かあるだろ。ポケットのすみっことか。」

ジャイアンがドラえもんの頭を蹴り飛ばす。糸に巻き付かれても足は動かせるのだ。

ドラ「わ、分かったよ。もっとよく探してみるよ。」

更にポケットの中を丹念に調べる。

ドラ「あ、これは?材質変換機。」

ドラえもんはそういうと、材質変換機の光をジャイアンに巻きついた糸に浴びせた。

ドラ「糸を毛糸にしたんだ。これでもう大丈夫だよ。」

クモの糸は毛糸になってしまったのである。

ドラえもんは毛糸をカッターで切り始めた。

やがて、毛糸は切れ、ジャイアンは解放された。

ジャ「おう、助かったぜ。」

ドラ「でも、何でこんなところにクモなんかが…。」

のび「火星人じゃないの?」

ドラ「そんな馬鹿な。」

と、そこにスネ夫と静香がやってきた。

スネ「お〜い、大丈夫?」

ジャ「ああ、だがあのクモは何なんだ?突然爆発するし…。」

ドラ「とにかく、一度地上に降りよう。」

5人は地上に降りたたった。

そこは何もない砂漠のようなところだった。

のび「僕たちの宇宙船はどうなったんだろう。」

のび太が回りを見回しながら言った。

ドラ「本当だ、宇宙船が消えてる。」

いつの間にか、5人が乗ってきた宇宙船が消えてしまった。宇宙船は影も形もない。

ジャ「探してみようぜ。」

ドラ「うん。そうしよう。あれがないと家に帰ることも出来ないよ。」

5人はばらばらになって宇宙船を探すことにした。上空に上がれば周りをかなり見ることが出来るが、やはり宇宙船の姿は見当たらない。

どこにいったのだろうか。

ドラ「駄目だ。どこにもない。」

のび「どこに行ったんだろう…。」

ジャ「自動宇宙船探し機はないのか?」

ドラ「そんなものないよ。」

その時、どこからかゴゴゴゴゴという音が聞こえてきた。

スネ「な、何の音?」

やがてその音は止まった。

ジャ「あ、おい。あれ!!」

ジャイアンが指差した先には紛れもないドラえもんたちの乗ってきた宇宙船の姿があった。

ドラ「どうしてあんなところに。さっきまでなかったのに…。」

ジャ「とにかく行ってみようぜ。」

ジャイアンが宇宙船に向かって進んでいく。あとの4人もそれを追った。

やはり、ドラえもんたちの宇宙船だった。

ジャ「さて、これに乗って帰ろうぜ。」

ドラ「でも壊れてるから修理しないと…。」

ジャ「じゃあ早く修理しろよ。」

ドラ「でも…タイムふろしきも復元光線も修理する道具はないんだよ。」

ジャ「何っ?それなら帰れないじゃないか…。」

その時、またしてもゴゴゴゴゴという音が聞こえてきた。

そして、その音と同時にドラえもんたちの回りにさっき倒したのと同じようなクモが三匹現れた。


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