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町内大冒険
前編
2週間程度で作った作品です。
なんのひねりもなくただ書いただけなので長いだけです。
「のぉぉぉぉびぃぃぃ太ぁぁぁぁ!!」 怒りの声が練馬に響く。 空き地にジャイアンと取り巻きのスネ夫やはる夫、安雄、ズル木、名も無き脇役たち総勢15人あまりが集まった。 「いいか、お前ら!のび太を捕まえたやつには10万円をやる!早く捕まえて来い!絶対に家に帰らすなよ!」 「あ、あのジャイアン…。その10万円って…。誰が…」 「お前に決まってるだろ!さっさとそれを書いた紙を作って町中に貼って来い。ほかのやつらはさっさとのび太を捕まえろよ! 「わ、わかった」 スネ夫たちは恐怖政治に怯えるように返事をし、散らばっていった。 「ど、どうしよう…」 のび太はその様子を電信柱の影から見ていた。ジャイアンに虐められたことを先生に告げ口したら追われることになってしまったのである。 それからジャイアンやスネ夫に会わないように学校から出てここまで来たのだが、ここにきて最大のピンチを迎えてしまった。 なんとかして家に帰り着かなければ…。 「あっ、のび太がいたぞ!!」 「どこだ」 「こっちだ!」 いきなりの声が正面から聞こえてきた。はる夫が明らかにこちらを指差し、走って近づいてくる。 「ギャア、助けてー!!」 翻り走り出す。幸い相手はデブのはる夫だったため、曲がり角をいくつか曲がり、なんとか撒くことには成功した。が、いつ見つかるかわかるものではない。 どこを通って家に帰るか…。ジャイアンたちと出会わないで進むには…。 家に帰る方法を模索していると、背後から靴が地面を叩く音が聞こえてきた。それはどんどんと近づいてきている。 振り向くと、安雄を中心とした少年たち5人が走って追ってきているのが目に入った。 「いたぞ、走れ!奴を我等の生贄にしてくれる!」 「ひ、ひとまず逃げないと…」 のび太は走り出した。安雄たちの反対方向へと。我が家とは正反対のほうへと。 「全く、のび太はどこで何してるのかしら」 のび太の母、玉子は窓の外を見て文句を言っていた。 「ママ、どうしたの?」 「あらドラちゃん、のび太がまだ帰ってこないのよ。もう学校は終わってるはずなんだけど…」 やってきたドラえもんに玉子は理由を説明する。 「のび太君、どうしたんだろう…。何かあったのかも」 ドラえもんは呟くと2階にへと上がっていった。のび太の部屋に入ると、不意にポケットに手を突っ込んで一つ目のついた球体を2つ取り出す。 「コンビパトボール〜。これでのび太君を探そう」 球体の1つが開けていた窓から外に出て行く。のび太を探しに行ったのだ。 「さて、発見してくれるまでのんびり待つか…」 自分で動こうとしないドラえもん。最近ぐうたらになってきている。 のび太は裏山にいた。走っていたら学校が見えてきて、それを通り越しここまで来たのだ。 今は裏山の山頂付近にいる。さすがに安雄たちも追ってこなくなった。 「ふぅ…とりあえず助かった…」 ぱたりと地面に仰向けになる。視界は青空でいっぱいになった。 「これからどうしよう…」 必死に家に帰る方法を考える。ここから家は結構離れている。15人あまりもいるジャイアンと仲間たちに見つからずに帰れることはまずありえないだろう。 かと言って、ここに立て篭もっていてもいずれ全方位から包囲されるだろう。 のび太は今まで持っていたカバンから何日も机の中に入っていてカチカチになったパンをとりだした。 現在もてる最大の武器がこれなのである。なんとも心もとない。 「!?」 突然青空の中に一つ目がついたボールのようなものが入ってきた。 「お、おばけぇぇぇ!!!」 未確認生命体の出現により驚いたのび太は30cm程度飛び上がってしまった。 「僕だよ、僕」 そのボールから聞きなれた声が発せられた。 「その声は…ドラえもん。どうしてそんな不気味な姿に…。もともと変な図体だったのに余計気持ち悪くなって。見るに耐えないよ」 「なんだって?誰が変な図体だ!」 眼前に浮いていたボールが突然急降下を仕掛け、のび太の腹にめり込んだ。 「ウグシャッ!!」 重力落下で加速した鉄の塊の直撃をもろにうけ、思わず奇声を発してしまう。 「で、どうしてそんなところで寝てるのさ。早く家に帰ってきなよ」 「それが、大変なんだよ。ジャイアンたちに追われてるんだ」 のび太はパトボールに今までのことを話した。 「だから、早くどこでもドアとかで助けにきてよ」 「残念だけど、どこでもドアならさっきフリスビーみたいに投げて壊しちゃったよアハハ」 「このアホダヌキ!さっさと何とかしろよ!」 ドラえもんのあまりのアホさに痺れを切らせたのび太が激昂した。 「大丈夫代わりにこれをあげるよ」 家の中のドラえもんは、ポケットに手を入れると注射器のようなものを取り出した。 「地図注射器〜。これで何か道具を転送してあげるよ」 そういうとドラえもんは地図を取り出した。裏山のところのページをあけると、その山頂付近の位置に針をさした。 「あ、何か落ちてきた」 上空を見上げていたのび太の視界に突然小規模の光が現れ、そこから何かが落ちてくるのが見えた。 拾い上げると、それはショックガンだった。相手を麻痺させる銃である。 「なんだよこれ」 「ショックガンだよ。それでジャイアンたちを倒せばいいだろ」 「もっと簡単な方法ないの?タケコプターとか」 「タケコプターは全部電池が切れてるよアハハ」 「このバカダヌキ!さっさと新しいの買えよ!」 ドラえもんの笑い声に痺れを切らせたのび太が激昂した。 「何言ってるんだよ。元はといえば君が毎日タケコプターで学校に行ってたからだろ。あれで電池がなくなっちゃったんだよ!」 「う…わ、わかったよ。これでなんとかするよ」 のび太はそういうとショックガンを構えた。少し気分も高揚してきた気がする。 「まぁ、何かあったら道具を送ってあげるから、がんばりなよ」 投げやりな応援がきたが、無視して進むことにする。 裏山を下っていく。登山道の両脇の茂みにも細心の注意を払って踏み込んでみるが、誰もいる気配は無い。どうやら裏山にはジャイアンたちはいないようである。 「よし、一気に降りよう」 独り言をつぶやくと、言葉通り走って山を降りはじめた。 やがて傾斜は緩やかになり、町が正面に見えるようになった。 このまま走りぬけようと加速した直後― 「ハハハハーッ!見つけたぜぇ!!」 突然両脇の木から人間が2人飛び降りてきたのだ。 「お、お前たちは…」 「そう、俺たちは脇役コンビ安雄と…」 ……… …… … 安雄ははる夫がいるはずの左側を見る。 そこには上半身を地面にめり込ませて必死にもがいているはる夫の姿があった。 「は、はる夫ぉぉぉぉぉ!!」 安雄は泣き叫ぶと、急いではる夫を引き抜こうとする。 ズポッ が、引っこ抜けたのははる夫のズボンであった。ブリーフがあらわになる。 「しまった!はる夫、待ってろよ!!」 安雄はズボンを投げ捨てるとすぐにはる夫の足を掴んで引っ張りあげる。 が、巨体のはる夫を持ち上げるのは容易ではない。安雄は何度も手を滑らせながら何度も救出を試みる。 「はぁぁるぅぅぅおぉぉぉぉぉぉ!!!」 力を振り絞り、全身全霊をかけ、はる夫をひきぬく。 ズボッ その力によりはる夫は地面から引き抜かれ地上に姿を現した。 「ゲホッ、ゴホッ、ウェ……」 「大丈夫か?はる夫」 「あ、あぁ。死ぬかと思ったぜ。ありがとうな」 はる夫は顔中真っ黒になり、まるで肉団子みたいになっていた。 「とにかく、俺たちの敵はのび太だ。奴を倒さなければ明日は無い」 「わかっている。さぁ、のび太、かかってこい!」 勇んで周りを見るが、そこには誰もいなかった。 「ドラえもん、近くに誰かいる?」 「そんなの知らないよ」 「そのボールみたいなので飛んでいけば調べられるだろ」 のび太とパトボールははる夫を救出していた安雄を無視して先に進んでいた。もうすでに町の中へと入っている。 「じゃぁ、ちょっと見てくるよ」 パトボールはふわふわと空中を進んでいく。やがて見えなくなるほど小さくなった。 その後、巻き戻しのようにパトボールが戻ってくる。 「向こうに犬山太郎くんがいたよ。きっと君を探してるに違いない。隠れる?」 「いや。こっちにはショックガンがある。たかが雑魚ごときに隠れるなんて恥だ。ここで待ち伏せしよう」 ショックガンを構えて待つ。やがてまがり角から犬山太郎が姿を現した。ポータブル国会によって犬と太の字を逆にされた悲しい過去を持っている。 犬山太郎はすぐにのび太の存在に気づいた。 「のびtグシャァ!!」 が、気づいたときにはすでにショックガンは発射されており、犬山太郎は気絶してしまった。 「君に恨みは無いが、降りかかる火の粉は払わねばならないのさ」 恨みがあるのはむしろ犬山太郎のほうである。 「…先に進もう」 再び歩き出す。 「!!」 そこにいきなりA4くらいの大きさの物体が飛来してきた。 のび太の上空を飛び、すれ違いざまに何かを落とす。 グサッ 「ぐべしゃっ!!」 のび太の体に無数の釘が刺さった。痛みに悲鳴を上げて転げまわる。 が、もがいているうちに壁に頭をぶつけ、より深く刺さってしまった。 「ギャァァァァ!!…………」 「大丈夫かのび太君!一体誰が…」 飛来してきた物体は飛行機の形をしていたが、それはかなり小さく、ラジコンのようだった。 「ラジコン…スネ夫か!」 パトボールのドラえもんが叫ぶ。 「ククク…そのとおり…」 すると角からラジコンのコントローラーを手にしたスネ夫が姿を現した。不敵な笑みを浮かべている。 「クッ…これでも食らえ!」 のび太が立ち上がりざまにショックガンを撃つ。いつの間にか頭の釘は消えていた。 「ハハハ、それで僕を攻撃するつもりかい?」 声と同時にスネ夫の前に同じような身長のロボットが現れた。これもラジコンなのだろう。 「どうだい?9チャンネルで3機を同時に動かせるんだ」 ロボットが盾となり、ショックガンの攻撃は防がれてしまった。 「残念だね。このラジコンロボは鉄でできているんだよ。そんな攻撃なんて効かないのさ」 「ど、どうしようドラえもん。攻撃が効かないよ」 「ちょっと待ってよ。何か無いかな…」 「そして…防御するだけじゃないんだよ!」 いきなりラジコン飛行機が2機現れ、ラジコンロボは両手をのび太のほうへと向けた。 「これがラジコンたちによる最強のコンビネーション攻撃!トライアングルデストラクション!!」 ラジコンロボがロケットパンチを放ち、2機のラジコン飛行機はミサイルを水平発射しつつ体当たりを行う。 それらのすべてがのび太に命中した。 「フギャァァァァァァ!!!」 のび太は反動により吹き飛び、倒れてしまった。 「の、のび太くぅぅん!!」 叫びと同時にどこからか車の音が聞こえてきた。やがて視界にはタクシーの姿が目に入る。 タクシーはのび太の前に来るとスピードを緩めてやがてとまった。 中には安雄とはる夫の姿が確認できた。 「ここで降ろして」 「あいよ。870円だね」
「はぁ?なんでお金を払わないといけないんだよ」 「何を言っているんだ。こっちはタクシーだぞ。早く金を払えよ」 「なんだと!おじさん、ヒッチハイクで載せてくれたやさしい人だと思ってたのに、これが目的だったのか!」 「だまれだまれ。こうなったら地獄の果てまで連れて行ってやる」 タクシーはまた走り始めた。 「隙あり!これでも食らえ!」 タクシーに見とれていたスネ夫の頭上にドラえもんが大量のコショウを転送する。 コショウは見事にスネ夫の器官に吸収された。 「ブエッ、ゴホッ、ブァハックシュン!!く、くるし…」 「のび太君、早く逃げるんだ!」 「わ、わかった」 のび太は逃げ出した。生き延びるために。 結構長かったので2話に分けることにしました。 続きます。
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